雇用契約書のQ&A・よくあるトラブルシューティング

用契約書に必要なポイントやトラブル解決策を徹底解説。契約内容の不備や労働条件の誤解を防ぎ、安心して働くために必須の知識をまとめました。

雇用契約は、会社と従業員の権利・義務を明確化するための重要な書類です。
実際には「労働条件通知書」や「労働契約書」など、呼び方やフォーマットが多少異なる場合がありますが、いずれにせよ労働基準法上、書面での明示は必須となります。
本記事では雇用契約書に関する基本的な疑問や、よくあるトラブルの原因・対処法をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。


雇用契約書の基礎知識

雇用契約書は、労働者が安心して働けるように労働条件を明示するための重要な書類です。
会社は労働基準法第15条に基づき、以下の事項を書面で提示する義務があります。

  • 契約期間(有期契約の場合)
  • 就業場所・従事する業務内容
  • 始業・終業時刻、所定労働時間、休憩時間、休日など
  • 賃金に関する事項(計算方法、支払方法、支払日、締日など)
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

これらに加え、就業規則や給与規定・休暇規定などの社内規定に従う旨を記載し、従業員と事前に認識を合わせることも重要です。

ポイント: 雇用契約書や労働条件通知書の名称に関わらず、「労働条件を明確にする書面」が必須です。


Q&A:よくある疑問と解決策

Q1:雇用契約書の必須項目は?

A. 上記のように、以下5項目が労働基準法上必須です。

  1. 契約期間
  2. 就業場所・業務内容
  3. 労働時間
  4. 賃金
  5. 退職(解雇を含む)に関する事項

これらが明記されていない雇用契約書は、法律違反となる可能性が高いため要注意です。


Q2:口頭での契約ではダメ?

A. 口頭での合意も、法律上「契約」自体は成立しますが、労働基準法違反になります。
従業員保護の観点から、就業条件は必ず書面で交付される必要があります。後々のトラブルを防ぐためにも、必ず書面で残しましょう


Q3:契約更新はどのように伝えるべき?

A. 有期契約の場合、更新の可能性の有無や更新条件を雇用契約書に明示しておくことが必要です。更新時には、口頭のみではなく書面で通知し、従業員にサインや押印をもらうと安心です。


Q4:契約期間の定めがある場合、途中で辞められる?

A. 雇用契約に「契約期間の定め」がある場合は、原則として期間満了をもって退職するのが基本です。
ただし、労働者側にはやむを得ない事由がある場合、途中で解約できる可能性があります。トラブルになりやすいので、まずは会社と相談し、やむを得ない理由がある場合には話し合い書面での合意をしっかり行いましょう。


Q5:違法な内容があった場合どうする?

A. 仮に雇用契約書に違法な内容が記載されていた場合でも、その部分は無効となります。労働基準法などの強行規定に反する内容は無効となり、法令に基づいた内容が優先されます。
不安がある場合は、労働基準監督署弁護士社会保険労務士などに相談してください。


よくあるトラブルシューティング

トラブル事例1:契約内容と実際の業務内容が違う

  • 原因: 「営業職」として採用されたはずが、実際には事務作業や他部署のサポート業務が中心になるなど。
  • 対応策:
    1. 契約書の業務内容を確認し、著しく差がある場合は「職務内容変更通知書」などを作成し直してもらう。
    2. 社内の上司・人事担当と早めに相談し、解決を図る。

トラブル事例2:労働条件の変更を一方的に迫られた

  • 原因: 会社側が、人事異動や給与カット・休暇の変更などを一方的に進めようとする。
  • 対応策:
    1. 変更が必要な正当な理由(経営状態など)を確認する。
    2. 変更内容が就業規則や労働契約法に反していないか検討する。
    3. 変更が妥当な場合でも、労働者との合意が必要となるため、話し合いを重ねる。

トラブル事例3:雇用形態の誤解があった

  • 原因: 「アルバイト」「契約社員」「正社員」といった雇用形態が不明確なまま契約を結んだ。
  • 対応策:
    1. 雇用形態待遇・昇給の有無社会保険の加入有給休暇の扱いなどを契約書で明確にする。
    2. 口頭説明だけではなく、書面にて具体的な労働条件を提示する。

トラブルを未然に防ぐチェックリスト

以下のチェックリストを用いて、雇用契約書を事前に確認しましょう。

  1. 必須項目(契約期間、業務内容、賃金など)はきちんと記載されているか?
  2. 違法な内容(例えば賃金の遅配・減額措置など)は含まれていないか?
  3. 就業規則や賃金規定休暇規定などにきちんと基づいているか?
  4. 書面での契約を徹底しているか?(口頭契約で済ませていないか?)
  5. 署名・押印など、労働者の合意を証明する手続きはとっているか?

重要: すべての項目を満たすことで、労働者と会社双方が安心して契約を結ぶことができます。


まとめ

雇用契約書は、従業員が安心して働き、企業も安定した経営を行ううえで欠かせない大切な書類です。
しっかりと内容を理解し、納得したうえで契約を結ぶことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

また、当メディアでは他にも雇用や労務に関する解説記事を多数公開しています。あわせて読んでいただくことで、より深い知識を得られるでしょう。

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